検索窓
今日:52 hit、昨日:410 hit、合計:27,795 hit

28 ページ28

...



「誰?」

すぐに優希くんに視線を向けて問いかけた臣さん。


『バイト先の先輩です。』


優希くんの前でも平然とキスをする臣さんに戸惑いながら答えた。

「...どうも。」

何だかトーンが怖い優希くんは臣さんに軽く?挨拶すると、今度は私の目を見た


「A...彼氏?...いたの?」

『えっと...んー、いた?かな?...』


何て、答えれば正解なのか、臣さんには面倒だから結婚の事はわたしの周りには言わなくていいとは言われてたし、この場でもそうした方がいいのか、濁すように答えた。


臣さんは私の肩に腕んでいて

「そーゆうこと」

なんて言ってくるりと優希くんに背を向けてマンションへと歩きだした。


もちろん私も肩を組まれて一緒に歩き出して、慌てて優希くんに顔だけ振り返った。



じっと立ち尽くす優希くんの瞳が何故だか悲しそうで、
今日のお礼を言いたかったのにそれさえも出来なかった。



臣さんに連れられてエレベーターにのり自宅に帰り着く。


玄関に入ると、やっと肩を離した臣さんは靴をぬぐとスタスタとリビングへと入って行く。

それに続いて私も中に入った。



すでに緩くされたネクタイを鬱陶しそうに解きながら


「よく飯いってる先輩って男だったの?」


そう言った臣さん


『はい』


少しトーンの落ちた臣さんに小さく返事をした。

明らかに機嫌が悪い臣さんはシャツのボタンを外しながら言った。


「2人きりで何処かに出かけるのはやめて。ここでは契約だけど世間では不倫になりかねないし...」



ごもっともです。
土下座もんです。


『本当にすいません。立場をわきまえます』


謝る私を横にtシャツに着替えた臣さんはソファーに座ってすぐ隣をここに座れと言わんばかりにポンポンと叩いた。


私が隣に座ったのを見届けた臣さんは口を開いた...


「...嘘だよ。2人で出かけていいし、Aは好きに恋愛していいよ。」


優し顔してるけど、どこか哀しげな表情。


『...でも』


不倫騒動にでもなれぼ臣さんの顔が潰れる


私の言葉を遮るように


「揉み消すし...Aは何も気にしなくていいよ」


そう言った。



...恋愛ってそもそも、優希くんとはそんな仲では無いし
私が好きなのは臣さんなんだけどな


なんて事はもちろん言えなくて...


無性に悲しくなった。




.

29→←27



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
334人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:青空 | 作成日時:2024年3月26日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。